丸山不動産鑑定事務所
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オーナーから賃料の増額請求を受けた場合

2019.10.28 判例

今回は「オーナーから賃料の増額請求を受けた場合」の対応について解説します。

参考となる資料は「公益社団法人 全国宅地建物取引業保証協会苦情解決業務委員会 紙上研修 賃料の増減請求問題について (弁護士 柴田 龍太郎)」です。

 

まず、オーナーから賃料の増額請求を受けてその金額に争いが生じた場合、つまりオーナーの提示した賃料に納得できない場合、最終的な判断は「裁判所」が定めることになります。

 

借地借家法32条2項は

「建物の借賃の増額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃を支払うことをもって足りる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払った額に不足があるときは、その不足額に年1割の割合による支払期後の利息を付してこれを支払わなければならない」

と定めています。

 

これを簡単に解説すると

・改定前の賃料 50万円/月

・改定後の賃料 70万円/月

と想定した場合に、テナントは20万円の増額は納得ができないが5万円の増額なら納得できるとして、オーナーには5万円増額した55万円を払い続け、裁判所が最終的に改定後の賃料は60万円と判決を下した場合には、差額の5万円について、裁判にかかった期間や月数に応じて年10%の利息が生じます。ということです。

 

したがってオーナーから増額の請求を受けても、直ちに改定後の賃料を支払う必要はありません。

 

一旦冷静になり、提示されている金額が適正か否かを判断することが大切です。

そして弁護士等に相談する必要がありますが、その前に一度、不動産鑑定士に相談して下さい。

なぜなら不動産鑑定士の業務は不動産の価格や賃料に関するレポートを作成することだからです。

 

借地借家法32条1項では、

「建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。」

と定められておりますが、その適正な水準を見定めることが出来るのは不動産の専門家である不動産鑑定士に限られます。

オーナー様から増額を提示された場合、提示されている賃料が市場水準から乖離していないか、その根拠は何か、前回の更新時或いは契約当初の事情が存在しないか等、様々な視点から改定後における賃料の適正水準を分析する必要があります。

これらの分析は弁護士の先生や不動産会社の方では判断できないことに留意する必要があります。したがってオーナー様から増額請求を受けたとき、まずは我々のような専門家にご相談ください。

以上、有難うございました。

 

出典:公益社団法人 全国宅地建物取引業保証協会苦情解決業務委員会 紙上研修 賃料の増減請求問題について (弁護士 柴田 龍太郎)

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