令和6年度 横浜市鶴見区の地価公示から地価の動向を調査

令和6年度 横浜市鶴見区の地価公示結果 詳細解説

横浜市鶴見区は、東京・川崎に隣接し、東海道本線や京浜急行線など交通利便性の高いエリアとして、住宅地・商業地ともに安定した地価上昇を続けています。令和6年(2024年)の地価公示結果を、全体傾向、用途別、地域別、背景要因、今後の見通しなど多角的に解説します。

全体の地価公示平均と変動率

  • 2024年1月1日時点の横浜市鶴見区の**地価公示平均は357,022円/m²(45地点)**です。

  • 前年比の変動率は住宅地+3.4%商業地+4.8%、**工業地+6.1%**と、全用途で上昇傾向が続いています。

用途別平均価格・変動率

用途 平均価格(円/m²) 前年比変動率
住宅地 284,107 +3.4%
商業地 531,143 +4.8%
工業地 225,000 +6.1%
  • 商業地の上昇率が特に高く、駅前や主要道路沿いの物件が牽引しています。

  • 住宅地も堅調な上昇を維持しています。

地域別・駅周辺の地価動向

主要エリア・駅周辺の地価(2024年基準)

地域・駅名 地価(円/m²) 用途 前年比変動率 特徴・コメント
鶴見中央1丁目 1,270,000 商業地 +4.8% 鶴見駅東口駅前、商業ビル・事務所集積地
下末吉2丁目 291,000 住宅地 +3.4% 鶴見駅1.6km、住宅地
北寺尾6丁目 216,000 住宅地 +3.4% 鶴見駅2.9km、第一種低層住居専用地域
鶴見中央2丁目 440,000 住宅地 +3.4% 鶴見駅0.7km、住宅地
下野谷町3丁目 283,000 住宅地 +3.4% 鶴見小野駅0.8km、住宅地
  • **鶴見中央1丁目(商業地)**は、鶴見駅東口の駅前立地であり、1,270,000円/m²と区内最高値を記録しています。

  • 住宅地は、下末吉・北寺尾・鶴見中央2丁目などで20万~40万円/m²台が中心です

  • 工業地は湾岸部や流通拠点周辺に限定され、20万円/m²台で推移しています。

標準地の具体例と価格形成要因

代表的な標準地

  • 鶴見中央1丁目3番5外(商業地)

    • 地価:1,270,000円/m²(2024年1月1日現在)

    • 商業地域・防火地域、店舗・事務所の中高層建物が多い

    • 駅前で繁華性・希少性が高く、法人や機関投資家、賃貸業者の需要が中心

    • 取引価格は収益性や稼働率に大きく左右される

  • 鶴見中央2丁目1894番(住宅地)

    • 地価:440,000円/m²(2024年1月1日現在)

    • 住宅地、駅徒歩圏、周辺は住宅や中小規模のマンション

    • 駅近の利便性が価格を下支え

  • 下末吉2丁目836番2(住宅地)

    • 地価:291,000円/m²(2024年1月1日現在)

    • 第一種住居地域、準防火地域、住宅地として安定した需要

価格形成要因

  • 商業地は駅近や主要道路沿い、再開発計画、インバウンド需要の回復などが地価上昇の主因です。

  • 住宅地は都心アクセスの良さや、駅徒歩圏の利便性、生活環境の良さが安定した需要を支えています。

  • 工業地は湾岸部や流通拠点へのアクセス性から上昇率が高くなっています。

地価上昇の背景要因

  • 再開発・都市機能の強化
    鶴見駅周辺や主要道路沿いでは再開発が進行中。新規オフィスや商業施設、マンションの供給が続き、地価を押し上げています。

  • 交通利便性の高さ
    JR京浜東北線・鶴見線、京急本線など複数路線が利用可能で、都心や横浜中心部へのアクセスが良好です。

  • インバウンド・観光需要の回復
    コロナ禍明けで観光客やビジネス需要が回復し、商業地の需要が増加しています。

  • 住宅需要の底堅さ
    都心近郊でありながら比較的手頃な価格帯の住宅地が多く、ファミリー層や単身者の需要が堅調です。

住宅地と商業地の特徴

住宅地

  • 住宅地の平均地価は約28万円/m²で、下末吉、北寺尾、鶴見中央2丁目、下野谷町などが代表的です。

  • 上昇率は3~4%台で、安定した推移を見せています。

  • 既存の住宅地はアパートやマンションも多く、賃貸需要も堅調です。

商業地

  • 商業地の平均地価は約53万円/m²で、鶴見中央1丁目、鶴見駅周辺などが高額地帯です。

  • 上昇率は5%前後と高水準で、駅近や商店街立地、再開発エリアが特に強い上昇を示しています。

  • 需要者は法人や機関投資家、賃貸業者が中心で、駅前の希少性が価格を下支えしています。

工業地

  • 工業地は湾岸部や流通拠点周辺に限定されますが、地価は約22万円/m²で、前年比6.1%と高い上昇率です。

市場の特性と今後の見通し

  • 商業地は、地元の個人事業主や法人事業主、賃貸経営者が主な需要層。駅近や商店街立地は今後も堅調な需要が見込まれます。

  • 住宅地は、都心アクセスや生活利便性を重視するファミリー層や単身者の需要が安定。マンション開発も進み、今後も地価は堅調推移が予想されます。

  • 工業地は、流通拠点としての機能強化や物流需要の高まりを背景に、今後も上昇傾向が続く可能性があります。

懸念点・課題

  • 地価上昇に伴う賃料・物価の高騰や、住民の生活コスト増加、空き家・空き店舗問題など、都市部特有の課題も引き続き注視が必要です。

  • 商業地では賃料上昇が必ずしも収益性に直結しない場合もあり、収益価格と市場価格の乖離が見られるケースもあります。

まとめ

令和6年度の横浜市鶴見区の地価公示は、商業地を中心に上昇し、住宅地も堅調な推移を示しました。再開発や交通利便性、インバウンド需要の回復が地価上昇を支えています。今後もこの傾向は続く見通しですが、都市部ならではの課題にも目を向ける必要があります。地価の詳細な地点別データや推移は、国土交通省や横浜市の公式サイトで確認できます。

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