京急が三浦半島を本気でプロデュース中!~三浦半島における再開発について~

三浦半島における京浜急行電鉄(京急)の開発は、鉄道事業を基盤としながらも、沿線価値の最大化と地域活性化を目指す多角的な取り組みへと進化しています。近年は「脱・鉄道依存」を掲げ、人口減少や観光需要の変化、コロナ禍など社会環境の変化に対応し、鉄道以外の収益基盤強化と地域共創型まちづくりを推進しています。

「newcal」プロジェクトとエリアマネジメント

京急グループは2024年から「newcal(ニューカル)」プロジェクトを本格始動しました。これは「new」+「Local」を組み合わせた造語で、地域住民や事業者、自治体、教育機関など多様な主体と連携し、地域の新たな価値や文化を共創するエリアマネジメント構想です。三浦半島を含む沿線各地で、MaaS(Mobility as a Service)やデジタル基盤を活用したサービス展開、地域拠点の整備、交流イベントの開催など、地域の個性やニーズに合わせたまちづくりを進めています。

2024年9月には「三浦海岸駅前ひろば(仮称)」を開設し、人工芝や木製ベンチ、観光案内所、レンタサイクルや電動キックボードの拠点を設置。地域住民や観光客が集い、交流・発信・滞在ができる場を創出しています。今後もワークショップを通じて地域と共に活用方法を検討し、住民主体のエリアマネジメントを強化していく方針です。

大規模開発と都市近郊リゾートの創出

三浦市初声町三戸および三崎町小網代地内では、約50ヘクタールに及ぶ「三戸プロジェクト」が進行中です。これは三崎口駅に近接する低・未利用地を対象に、ミクストユース(複合利用)型の市街地形成を目指す土地区画整理事業であり、住宅や商業、観光、レクリエーション、医療・福祉など多様な機能を集積した新たなまちづくりを計画しています。三浦半島南部の玄関口としてふさわしい賑わいと利便性を創出し、地域の活性化を図る狙いです。

また、京急は「都市近郊リゾートみうらの創生」を掲げ、リゾート開発や観光資源の再発掘にも注力。城ヶ島エリアでは高級温泉旅館「ふふ城ヶ島(仮称)」の開業準備、油壺エリアでは旧マリンパーク跡地の一体開発など、外部事業者と連携した滞在拠点の再整備を進めています。こうしたリゾート開発は、日帰り観光が多い三浦半島の課題である「長時間滞在」の促進や、観光消費額の増加を目指すものです。

MaaS・モビリティと多極型まちづくり

京急は従来の「鉄道+駅」中心の一極集中型から、「住・働・楽・学」機能が揃う中核拠点を複数配置し、地域間をつなぐ交通網の整備による「多極型まちづくり」へとシフトしています。MaaS基盤の整備や観光型モビリティの導入により、沿線全体での回遊性を高め、移動そのものを価値ある体験とする新たなサービスを展開しています。三浦海岸駅前では、オープントップバスやシェアサイクル、電動キックボードなどを組み合わせたマルチモビリティステーションを展開し、観光・生活の両面で利便性を向上させています。

地域共創と外部パートナーとの連携

京急は地域住民・自治体・企業・大学などと連携し、エリアマネジメント組織の設立や地域交流イベントの開催、観光情報発信の強化など、地域主体のまちづくりを推進しています。2024年には日本テレビや地方創生事業者と連携し、「三浦半島まちづくりプロジェクト」を始動。テレビメディアの発信力や事業プロデュースのノウハウを活かし、三浦半島の魅力向上や課題解決に取り組んでいます。

今後の展望

京急は「移動」と「まち創造」を両輪とした持続的な沿線発展を目指し、鉄道・不動産・観光・地域共創の各分野で新たな価値創出を進めています。三浦半島では、都心から1時間圏内という立地を活かし、自然・食・文化・歴史・新しいライフスタイルを融合させた「都市近郊型リゾート」としてのブランド確立を目指しています。今後も地域特性に応じた多様な開発やサービス展開、デジタルとリアルを融合した新しいまちづくりが期待されています。

このように、京急の三浦半島開発は単なる鉄道会社の事業を超え、沿線全体の価値向上と持続可能な地域社会の実現を目指す先進的な取り組みとなっています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です