令和6年度 横浜市全域の地価公示から地価の動向を調査

令和6年度 横浜市全域の地価公示結果 詳細解説

横浜市は日本有数の大都市として、住宅地・商業地ともに全国的に注目される不動産市場です。令和6年(2024年)の地価公示では、全用途で上昇基調が続き、特に商業地の上昇率が際立ちました。ここでは、横浜市全体の地価公示のポイントを、全体傾向、用途別、区別、主な標準地、上昇要因、今後の見通しなど多角的に解説します。

全体の地価公示平均と変動率

  • 令和6年1月1日時点の横浜市住宅地の平均変動率は+3.2%(前年+2.7%)、商業地は+7.2%(前年+6.0%)と、いずれも上昇幅が拡大しました。

  • 住宅地は477地点中472地点で上昇、商業地は161地点すべてで上昇し、横ばい・下落地点はほぼ見られません。

  • 住宅地の平均価格は257,000円/m²、商業地は825,900円/m²となっています。

用途別・区別の平均価格と変動率

区名 住宅地平均価格(円/m²) 住宅地変動率 商業地平均価格(円/m²) 商業地変動率
鶴見区 299,200 +3.8% 564,400 +5.7%
神奈川区 322,300 +5.1% 825,900 +7.2%
西区 392,700 +5.9% 2,453,900 +10.1%
中区 386,100 +3.2% 999,200 +11.0%
南区 241,800 +3.1% 458,000 +8.8%
港南区 241,800 +3.1% 458,000 +8.8%
保土ケ谷区 244,000 +3.8% 458,000 +8.8%
磯子区 214,000 +2.6% 380,000 +6.6%
金沢区 206,100 +2.3% 346,000 +6.4%
港北区 331,100 +3.8% 761,000 +7.1%
緑区 213,600 +2.6% 380,000 +6.6%
青葉区 256,400 +2.7% 458,000 +8.8%
都筑区 262,400 +2.7% 458,000 +8.8%
戸塚区 211,200 +2.7% 380,000 +6.6%
栄区 206,100 +2.3% 346,000 +6.4%
泉区 206,100 +2.3% 346,000 +6.4%
旭区 206,100 +2.3% 346,000 +6.4%
瀬谷区 206,100 +2.3% 346,000 +6.4%
  • 西区・中区・神奈川区・港北区など都心・副都心エリアで上昇率・地価水準ともに高く、**西区の商業地は2,453,900円/m²、変動率+10.1%**と突出しています。

  • 港南区・栄区など郊外エリアも全地点で上昇ですが、市平均よりやや緩やかな上昇です。

住宅地・商業地の上昇率上位地点

住宅地上昇率上位(神奈川県全体から抜粋)

  1. 横浜市保土ヶ谷区西谷3丁目1127番26(+13.0%)
    相鉄・東急直通線開通により都心アクセスが大幅に向上し、住宅需要が高まったことが要因です。

  2. 横浜市内他エリアも3~6%台の上昇が多く、特に駅徒歩圏や再開発エリアで上昇幅が大きい。

商業地上昇率上位

  1. 横浜市西区みなとみらい3丁目1番1外(+19.2%)
    みなとみらい21地区の再開発、企業・大学進出、観光・インバウンド需要の回復が地価を強く押し上げています。

  2. 横浜市中区住吉町1丁目2番外(+16.8%)
    関内・馬車道エリアの再開発、オフィス・ホテル需要の高まりが背景です。

  3. 横浜市中区野毛町2丁目59番3(+15.3%)
    飲食・観光需要の回復と再開発の波及効果が顕著です。

地価上昇の背景要因

  • 再開発・都市機能強化
    みなとみらい21、関内、馬車道、横浜駅周辺などで再開発が進行。オフィス・商業・住宅の複合開発が地価上昇を牽引しています。

  • 交通利便性の向上
    相鉄・東急直通線の開業で西谷・羽沢横浜国大など新駅周辺の需要が急増。都心へのアクセス向上が住宅地の地価を押し上げています。

  • インバウンド・観光需要の回復
    コロナ禍明けで観光客が急増し、みなとみらい・中華街・関内など観光地周辺の商業地が大幅上昇。

  • 人口流入・住宅需要の堅調さ
    都心近郊で生活利便性が高く、ファミリー層・単身者の転入が続き、住宅地も堅調な上昇。

  • オフィス・投資需要の増加
    企業のオフィス回帰や投資マネー流入が、都心部商業地の上昇を後押ししています。

郊外・住宅地エリアの動向

  • 港南区・栄区・泉区・旭区・瀬谷区などは、全地点で地価が上昇。

  • 上昇率は市平均よりやや低いものの、駅徒歩圏や生活利便性の高いエリアで堅調な地価上昇が続いています。

  • 住宅地最高値は港南区大久保1丁目59番2(37万7,000円/m²)で、上大岡駅徒歩圏の利便性が評価されています。

今後の見通しと課題

  • 今後も上昇傾向が継続か
    再開発や交通インフラの整備、人口流入が続く限り、短中期的には地価上昇が継続する見通しです。

  • 住宅地の動向
    都心アクセスや生活利便性を重視する層の需要が堅調で、駅徒歩圏や再開発エリアで上昇幅が大きい。

  • 商業地の動向
    オフィス・観光・インバウンド需要の回復で、都心部・副都心部の地価上昇が続く見込みです。

  • 課題
    地価上昇による賃料・物価の高騰、生活コスト増、空き家・空き店舗問題、収益性と市場価格の乖離など、都市部特有の課題も引き続き注視が必要です。

まとめ

令和6年度の横浜市全域の地価公示は、住宅地・商業地ともに上昇幅が拡大し、特に都心・副都心部の商業地で大幅な上昇が記録されました。再開発、交通インフラの整備、人口流入、観光・インバウンド需要の回復が地価上昇の主因です。今後もこの傾向は続く見通しですが、都市部ならではの課題にも注意が必要です。詳細な地点別データや推移は、横浜市や国土交通省の公式資料で確認できます。

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