令和6年度 横浜市西区の地価公示結果 詳細解説
横浜市西区は、みなとみらい21や横浜駅周辺を中心とした神奈川県有数の商業・業務エリアと、歴史ある住宅地が混在する都市です。令和6年(2024年)の地価公示結果を、全体傾向、駅・エリア別、用途別、背景要因、今後の見通しなど多角的に分析します。
全体の地価公示平均と変動率
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令和6年(2024年)1月1日時点の横浜市西区の平均公示地価は1,766,851円/m²、坪単価では5,840,832円/坪となりました。
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前年比の変動率は**+8.81%**と、県内でも高い上昇率を示しています。
用途別変動率(神奈川県全体参考)
用途 | 令和6年平均変動率 | 前年比(参考) |
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住宅地 | +2.8% | (+1.4%) |
商業地 | +5.4% | (+2.9%) |
工業地 | +5.9% | (+4.3%) |
西区は特に商業地の上昇が顕著であり、都心回帰や再開発の進展、インバウンド需要の回復が背景にあります。
駅別・エリア別の地価動向
駅別地価ランキング(2025年[令和7年]公示地価・変動率)
順位 | 駅名 | 地価平均(円/m²) | 坪単価平均(円/坪) | 変動率 |
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1 | みなとみらい駅 | 3,410,000 | 11,272,727 | +10.00% |
2 | 横浜駅 | 2,794,875 | 9,239,256 | +9.84% |
3 | 桜木町駅 | 1,441,250 | 4,764,462 | +11.81% |
4 | 新高島駅 | 1,270,000 | 4,198,347 | +13.39% |
5 | 高島町駅 | 980,000 | 3,239,669 | +14.20% |
6 | 平沼橋駅 | 604,000 | 1,996,694 | +11.97% |
7 | 戸部駅 | 476,428 | 1,574,970 | +9.11% |
8 | 日ノ出町駅 | 359,000 | 1,186,776 | +7.85% |
9 | 黄金町駅 | 335,500 | 1,109,090 | +5.98% |
10 | 西横浜駅 | 296,250 | 979,338 | +3.61% |
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みなとみらい駅周辺は3,410,000円/m²と突出して高く、再開発やオフィス・商業施設の集積、観光需要の高まりが地価を押し上げています。
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横浜駅周辺も2,794,875円/m²と高水準で、駅周辺再開発やタワーマンション建設の影響が顕著です。
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桜木町駅・新高島駅・高島町駅など、みなとみらい21地区やその周辺でも10%超の上昇率を記録しています。
主要エリア別地価と変動率
エリア | 地価平均(円/m²) | 坪単価平均(円/坪) | 変動率 |
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南幸 | 7,323,333 | 24,209,366 | +6.78% |
北幸 | 3,935,000 | 13,008,264 | +5.95% |
高島 | 2,515,000 | 8,314,049 | +12.65% |
みなとみらい | 1,960,000 | 6,479,338 | +11.85% |
楠町 | 960,000 | 3,173,553 | +12.54% |
平沼 | 707,500 | 2,338,842 | +13.35% |
戸部町 | 690,000 | 2,280,991 | +15.00% |
中央 | 602,000 | 1,990,082 | +13.42% |
岡野 | 535,000 | 1,768,595 | +11.04% |
浅間町 | 495,000 | 1,636,363 | +12.50% |
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南幸・北幸・高島など横浜駅周辺の商業地は、7,000,000円/m²超の地点もあり、県内最高水準です。
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みなとみらい・高島・楠町・平沼など再開発や新規オフィス・マンション供給が続くエリアは、10%超の上昇率を記録しています。
標準地の具体例
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西区高島2丁目22番8
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地価:3,360,000円/m²(令和6年1月1日現在)
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用途:商業地域、防火地域、建ぺい率80%・容積率800%
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横浜駅東口200m、店舗・事務所が集積する中高層商業地
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周辺は横浜駅西口やみなとみらい21地区の再開発の影響で収益性上昇期待が高く、地価は強い上昇傾向。
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地価上昇の背景要因
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再開発・都市機能強化
みなとみらい21地区や横浜駅西口・東口周辺での再開発が進行中。新規オフィスビルや高層マンション、商業施設の供給が続き、都市機能の高度化が地価を押し上げています。 -
インバウンド・観光需要の回復
コロナ禍明けで観光客が急増し、みなとみらい・桜木町など観光地周辺の地価が大きく上昇しています。 -
交通利便性の高さ
横浜駅を中心にJR、私鉄、地下鉄など多数の路線が集まり、都心部や空港へのアクセスも良好。企業や住民の需要が集中しています。 -
オフィス需要・投資マネー流入
テレワークからの回帰や、国内外の機関投資家・ファンドによる投資需要が高まっており、商業地の地価を牽引しています。
住宅地と商業地の特徴
住宅地
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西区の住宅地は、浅間町、藤棚町、久保町、霞ケ丘などに分布。平均地価は30万〜50万円/m²台が多く、前年比3〜7%台の上昇率です。
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住宅地の上昇率は商業地より緩やかですが、都心アクセスや再開発の波及効果で安定した需要があります。
商業地
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みなとみらい、横浜駅周辺、南幸、北幸、高島などの商業地は、100万〜700万円/m²超の地点が並び、上昇率も10%前後と高水準です。
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賃貸経営を行う事業者や投資ファンド、機関投資家が主な需要層であり、収益性上昇期待が強いことが特徴です。
市場の特性と価格形成要因
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横浜駅周辺やみなとみらい21地区の開発効果で、商業地の収益性上昇期待が高まり、地価は強い上昇傾向。
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需要者は県内外の法人事業者や機関投資家、不動産業者などが中心。個人事業者の取引は少ない。
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稼働率の良好な商業ビルなどは想定を上回る高値で取引されるケースも多い。
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新型コロナの収束と社会経済活動の正常化により、不動産市場の回復・持ち直し傾向が鮮明となっています。
今後の見通しと課題
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今後も上昇傾向が継続か
みなとみらい21や横浜駅周辺の再開発が続く限り、短中期的には地価上昇が続く見通しです。 -
住宅地の動向
商業地ほどの急上昇は見込まれませんが、安定した推移が予想されます。 -
懸念点
地価上昇による賃料・物価の高騰、住民の生活コスト増、空き家・空き店舗問題など、都市特有の課題も引き続き注視が必要です。
まとめ
令和6年度の横浜市西区の地価公示は、みなとみらい21や横浜駅周辺を中心に大幅な上昇を記録しました。再開発やインバウンド需要、オフィス需要の回復、交通利便性の高さが地価上昇を支えています。今後もこの傾向は続くとみられますが、都市部ならではの課題にも目を向ける必要があります。地価の詳細な地点別データや推移は、国土交通省や神奈川県、横浜市の公式サイトで確認できます。
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