桜木町・関内・馬車道・日本大通りエリア再開発の概要

横浜都心部の中核である桜木町・関内・馬車道・日本大通りエリアでは、国際的なビジネス・観光・居住・文化の拠点形成を目指し、複数の大規模再開発事業が進行しています。以下、主な再開発の全体像、各事業の詳細、都市基盤整備、今後の展望について、最新の公的情報をもとに総合的に解説します。

1. 再開発の全体方針と都市政策

このエリアは「国際的な産学連携」「観光・集客」「都心居住」を柱に、国内外から人材・企業・観光客を呼び込む“横浜都心の新たな顔”としての再生が進められています。
横浜市の都市政策では、駅前拠点の機能強化、都市基盤の再整備、緑の軸線や回遊性向上などが重視されており、令和6年度から令和14年度にかけて段階的に複数の再開発プロジェクトが展開されます。

2. 関内駅前地区第一種市街地再開発事業

【事業の目的と概要】

  • テーマ:「国際的な産学連携」「観光・集客」「都心居住」

  • 主な機能:グローバル企業本社・研究開発拠点、業務・商業施設、職住近接型の高規格賃貸住宅、交通広場、歩行者デッキなど

  • 目標:国内外から人々を呼び込む拠点形成と、駅前の都市基盤整備による回遊性・利便性向上

【街区構成と計画内容】

関内駅前では「港町地区」と「北口地区」の2街区で大規模再開発が進行しています。

街区名 施行面積 主な用途・特徴 事業期間
港町地区 約1.4ha 業務施設、住宅、商業施設、歩行者デッキ、交通広場等 令和6年度~令和14年度
北口地区 約0.8ha 業務施設、住宅、商業施設、歩行者デッキ等 令和6年度~令和14年度
  • 施行場所:中区港町二・三丁目、真砂町二・三丁目、尾上町二・三丁目、蓬莱町一丁目、万代町一丁目の各一部

  • 施行者:各地区の市街地再開発組合(三菱地所、東急不動産など大手デベロッパーが参画)

  • 主な整備内容:オフィス、住宅、商業施設、歩行者デッキ、交通広場、都市基盤施設の新設・再整備

【都市基盤整備】

  • 交通広場・歩行者デッキ:高速バスや観光バスが乗り入れる交通広場や、駅前の歩行者専用道路、デッキを新設し、回遊性・安全性を向上。

  • 公共施設の再整備:駅前広場や周辺道路の歩行者空間化、緑化、バリアフリー化を推進。

3. みなと大通り・横浜文化体育館周辺の再整備

  • みなと大通り・横浜文化体育館周辺道路(みなぶん)の再整備
    「みなと大通り」と「横浜文化体育館へのアクセス動線」は、関内と関外を結ぶ都市軸であり、再開発により施設間の回遊性を高めるとともに、緑の軸線や大通り公園、日本大通りとの一体化を図ります。

  • 大規模施設立地と回遊性向上
    関内側・関外側双方に国際的な産学連携や観光・集客機能を持つ大規模施設が立地し、来街者の増加と賑わい創出が期待されています。

4. エリア全体の主な再開発プロジェクト

【関内駅前地区(港町・北口)】

  • 業務・商業・住宅の複合開発:オフィス、商業施設、職住近接型住宅を一体整備。

  • 歩行者デッキ・交通広場:駅前広場や歩行者デッキの整備で回遊性向上。

  • 都市基盤の再整備:道路の歩行者空間化・緑化、バリアフリー化。

【みなと大通り・日本大通り・大通り公園】

  • 緑の軸線形成:みなと大通りから日本大通り、大通り公園まで連続する緑化・歩行者空間を整備。

  • 文化・スポーツ施設の再生:横浜文化体育館の建替・再整備、周辺道路のリニューアル。

【馬車道・桜木町エリア】

  • 既存施設のリノベーション・新規開発:歴史的建造物の保存活用、オフィス・商業施設の新設。

  • 観光・集客機能の強化:馬車道、日本大通りの観光・文化資源を活かした賑わい創出。

5. 事業推進体制・スケジュール

  • 施行者:市街地再開発組合(港町地区、北口地区)、民間デベロッパー(代表企業:三菱地所、東急不動産など)

  • 事業期間:令和6年度~令和14年度(2024~2032年度)を予定

  • 令和7年度(2025年度)の動き:再開発準備組合が事業計画の認可を得て、交通広場等の公共施設や施設建築物の実施設計、権利変換計画の作成を進める。

6. 再開発の意義と今後の展望

【都市機能の高度化・多様化】

  • グローバルビジネス・イノベーション拠点:国際的な産学連携・研究開発拠点やグローバル企業本社の誘致による新産業創出。

  • 観光・文化・スポーツの発信拠点:観光客や市民が集うエンターテインメント・文化施設の整備。

  • 都心居住の推進:職住近接型の高規格住宅供給で多様な人材集積。

【都市基盤・回遊性の向上】

  • 歩行者ネットワークの強化:駅前広場・歩行者デッキ・緑の軸線の整備による安全・快適な移動環境。

  • 交通結節点の強化:高速バス・観光バスの乗入れや公共交通との連携で都市間アクセスを向上。

【経済波及効果・地域活性化】

  • 新規雇用・経済効果:大規模開発による建設・サービス・観光分野の雇用創出、地域経済の活性化。

  • 周辺地域への波及:関内・桜木町・馬車道・日本大通りエリア全体のブランド価値向上と回遊性強化。

7. 今後の課題と展望

  • 持続可能な開発:脱炭素・循環型都市づくり、緑化・環境配慮型の都市空間創出。

  • 歴史的景観と新規開発の調和:歴史的建造物や街並みの保存と、現代的都市機能の融合。

  • インクルーシブなまちづくり:バリアフリー、ユニバーサルデザインの徹底。

  • 市民・事業者・行政の連携:多様なステークホルダーの協働による合意形成と推進。

まとめ

桜木町・関内・馬車道・日本大通りエリアの再開発は、「国際的な産学連携」「観光・集客」「都心居住」を軸に、駅前2街区の大規模複合再開発(港町・北口)、みなと大通りや文化体育館周辺の再整備、歩行者ネットワークや緑の軸線形成など、多面的な都市機能の高度化を進めています。
令和6年度から令和14年度まで段階的に事業が進行し、横浜都心の新たなシンボル・国際競争力のある拠点として、国内外から人材・企業・観光客を呼び込むまちづくりが着実に進められています。

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