この記事では令和2年度の実務修習に合格された井上さんにインタビュー形式にて様々なご質問をさせていただきました。
これから実務修習を受ける方の参考になりますと幸いです。
なお、当記事は約4,000字ありますので、約8分(500文字1分で計算)で読み終えます。
それではどうぞ!(^o^)/~~~
時間がない方へ(書き起こし内容)
丸山:今の時代、評価書を手書きで書くなんて事はあり得ないので、そっちの方が良いですよね。
井上:ただ、結構Excelだといじくり回せちゃうんですよ。色々試算出来ちゃうっていうか。講師の先生とかは「こういうパターンはやっていましたか?」とか、「最有効使用オフィス以外に住宅でも試算してみて」とか。すぐ数字を置き換えちゃえば出来るじゃないですか、Excelって。だから、やることは少し増えたような気がしますね。
丸山:なるほど。質が問われていますね、評価書の。テストはなかったですか?
井上:テストは、なかったですね。
丸山:マークシート型のミニテストがあったんですよ、我々の時は。
井上:最後の修了考査の時は当然あったんですけど、チェックテストがあったのは、e-learningの授業を受けた後の確認テストみたいなのはありました。
丸山:修了考査のテストっていうのは、我々の時とは違いますか?
我々の時は、最後口頭試問だけだったんですよ、それにプラスされて、何かテストがあるんですか?
井上:まず1月の下旬に筆記試験と、マーク試験があって、マークの問題が15題、記述の問題がA4の紙2枚に大問2問、マークと合わせると、計17問を2時間で解くような記述問題が一日目であります。そして、2月の1,2週間後に面接。面接官の方が3人くらいいて面接がありました。
丸山:面接の前にマークシートの記述式の合否って出てるんですかね?
井上:出てないですね。
丸山:マークシートと面接合わせて、加味して合否が出るって事なんですか。
井上:そうですね。
丸山:マークシートは短答式みたいな問題ですか?
井上:短答式みたいな問題なんですけど、ただ難易度が結構高い気がしていて。過去13回と12回の直近2年分は、協会のホームページにアップされていたので、私もやったんですけど、それよりも急に難しくなったような感じがありました。
e-learningのミニテストをやっていれば、そこそこ取れるみたいに聞いていたんですけど、全然そんな事はなくて。修習の実務テキスト2つくらい配られるやつを隅々まで読み込んでみないと回答出来ない様な問題とかあって。解き終わった後、マークシートの問題ちょっとやばいな。っと感じたりしてました。
丸山:その難しいっていうのは、細かい論点を聞かれたっていう事ですか?
井上:個人的には、「建築基準法絡みのテキストのあの辺にあるんだけどなぁ。」みたいなのは分かるんですけど、細かい数字までは出てこなかったり。それが切りきれないと、選択肢が絞り込めないんですよ。
丸山:じゃあ実務的な知識というよりは、テキストの細かい部分を聞いてきたって事なんですね。
井上:そうですね。作ってる方からしたら、実務を知ってて当然だよね、みたいな事だと思うんですけど。
個人的に切りきれなかった選択肢は、建築基準法とか行政法規絡みの「これどうなんだろう・・・」みたいな選択肢が切りきれないことがあったので、終わった瞬間は出来た感じが気がしなかったです。
丸山:最後の筆記試験は、どういう問題が出るんですか?
井上:1題は、問題の内容はフリー形式というか、鑑定士試験の論文式試験みたいな問題です。私が受けたものですと、継続家賃の店舗の賃貸事例が設定されていて、
直近合意時点の意義を述べよとか、直近合意時点はいつになるかとか、自動更新特約がある場合の話しとかですね。
最後に利回り法の留意点と実務上の留意点。基準ベタ貼りの様な問題じゃなく実務的な問題がA4の用紙一枚に書かされる問題でした。
もう1題は、自分がやった評価書の中から1つ選ばれて、それを前提に書かされる問題でした。自分が評価した類型を前提に答えてくださいとか、賃料想定はどうやりましたか?とか、部分貸し、一棟貸しのどっちを選択したかとか論点を書かせるのがもう1問ですね。
丸山:修了考査の口頭試問なんですけども、それはどういう質問を受けたか聞いても良いですか?
井上:口頭試問は、受験生一人あたり30~40分くらい割り当てられていて、自分が作成した評価書の中から出ます。
何が出るかは当日まで分からなくて、私の場合、区分所有マンションの類型が出ました。自分が作成した評価書が手渡しされて、その場でその評価書を見ながら、試験員の先生が3人いるので順に質問を受ける形で40分くらいやり取りをしました。
丸山:聞かれた質問としては、どの様な点に留意して評価しましたか、とかそういう感じですか?
井上:そうですね。対象不動産の概要、現地を実査してどうだったとか、中古マンションだったので内覧して中はどうだったのか、管理状態がどうだったか等から始まって、具体的な手法の数字の根拠だったり。試算価格の調整だったり、結構細かい論点ですね。印象というか思ったのは、現地行って見てるんですか?っていうのはすごく質問されて。内覧したのか、地域・周りの雰囲気はどうだったのか目で見たかっていうのはちゃんと聞かれているような気がしました。
丸山:実際の書面上だけの作成じゃなくて、現地も行って、周りも見て、取引事例も見て、公示地点も見て、血が通った評価書にしたのかっていう事ですね。
井上:そうですね、それは序盤に感じました。あと細かい手法は、自分的は時間をかけて完璧に仕上げたつもりだったんですけども、プロの先生にその場で2,3個指摘を受けて、自分でも気づかないような論点を挙げられて、「さすがですね。」っと言ってしまいました。
本音では、自分が気づきもしない部分をプロの方に指摘されるので、修習生へのアドバイスになってしまうんですけども、修習生の方は気を引き締めて提出した方がいいですね。評価書を提出するタイミングから面接試験が始まってるような感じで始めた方が良いと思います。自分が受けた質問は、30~40個で、その中で3、4個はダメ出しというか、ちょっとおかしくないかっていうような所はありました。
丸山:ダメ出しされた質問ってどんなのだったんですか?
井上:開発法の数値の査定と根拠、あとはマンションだったので、原価法で土地の再調達原価を出すじゃないですか。
そこで開発法と取引事例比較法を使って出して、その後に再調達原価を出す時に付帯費用を加算していたので、「開発法を使うのは循環論じゃないのか?」と指摘されて。
「循環論という考え方も多いのですが、井上さんはどう考えますか。また、それに対してどう反論しますか?」って言われまして…
開発法は、デベロッパー目線の価格で、再調達原価っていうのは、買う側(購入者側)の新規の再調達したらっていう目線なので、見る目が売り手側と買う側でそれぞれ違うので、そこの価格がある程度合致して近似してくれば良い検証材料になる…と回答しました(笑)それが正解だったのかは分からなかったですけども(笑)
丸山:そこで大事なのは、ちゃんと考えているかどうかですね。井上さんの場合はすっと答えられているので、大丈夫だと思いますが。
井上:あと試算価格の調整ですね。マンションだと3つ出てくるじゃないですか。積算、比準、収益とバラけるので、バラけている原因をちゃんと自分で理解できているか。どうやって最終的に自分で調整したのか。それなりに答えましたが、回答が足りなかったかなという部分もありました。
困った事は、市場分析の所の文章で、マンション市況は堅調だと書いていて、一方でマンションの時点修正率の数字が、若干、マイナスになっていて。自分で堅調だと文章書いておきながら、時点修正率がマイナスでベクトルが下向いちゃってるけど矛盾していないかって言われて。・・・あ、そうですねって言って。
丸山:確かに、仰る通りですね。
井上:市場分析の文章と手法の査定数値が離れてますけど…って言われましたね。リンクしてないっていのが見抜かれたと言うか指摘されて。なるほどなって思って勉強になりましたけどね。
丸山:私が唯一覚えてるのが、当時私も区分マンション出たんですよ。聞かれたことは公示地点はマンションの土地ですかって聞かれたんですよね。あと、見に行きましたか?って聞かれて。それ見に行ってませんねっていう話をしたのを覚えていますね。
井上:指摘されて逆に勉強になったので、良かったなって思います。
丸山:ありがとうございます。いくつか質問したいんですけども、口頭試問で準備する事はありますか?
以上が今回の動画になります。ありがとうございました。(次回へ続く)
⬇︎⬇︎⬇︎井上先生の過去動画⬇︎⬇︎⬇︎
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