湘南・藤沢エリアの地価推移概況とコロナ禍の影響

いわゆる湘南。神奈川県の相模湾沿岸地域を指す総称で、湘南エリアの主要都市と言える藤沢は東京駅まで東海道本線を使って50分。海が近く、サーフィンなどマリンスポーツを楽しむ人は好んで住む地域と言えます。そして、コロナ禍で自宅で仕事するスタイルが増え、首都圏に足を運ぶ頻度を減らせる状況になっていることから、湘南エリアに引っ越しをしている人が増えているイメージもあります。そこで、その地価推移をご紹介したいと思います。

湘南の定義

まず、湘南エリアの地価推移を計算するうえで問題となるのが、湘南エリアってどこからどこまで?ということです。
調べてみると、明確な定義はないということが分かります。athomeは湘南エリアを決めるべくアンケートを実施していて、逆に論争を生んだとのことなので、ここでは論争を生まないようにしなければなりません。一つ明確に区切られているものとしては自動車のナンバープレートに湘南の文字が付けられる地域。しかしそれだと、かなり西の方まで含まれてしまい、athomeのアンケート結果を見ても、一般的な湘南のイメージと異なります。

ここでは、海に近く、かつ必要に応じて仕事で首都圏にも足を運びやすいエリア、という意味での地価の比較をしていきたいと思いますので湘南という言葉はこれ以降使わず、藤沢、茅ケ崎、平塚の3市を見ていくこととします。

藤沢の魅力

湘南ブランドというものが存在します。なぜ湘南は人気なのでしょうか?藤沢に視点を絞って考えていきたいと思います。

 

海が近い

なんといっても、最大の魅力は海が近いということだと思います。住みたいと思う人は、やはり海が好きだからというのがまずあることでしょう。

サーフィンを楽しめる海でもあります。

また、湘南の海は富士山も見ることができて、江の島など、湘南の海ならではの風景を楽しむことができます。

首都圏にも、観光スポットにも近い

藤沢駅からの電車乗車時間は以下の通りで、首都圏にも、観光スポットにも近いというのがあります。

横浜駅:18分
品川駅:37分
東京駅:50分
箱根湯本駅:48分(乗り換え時間除く)
熱海駅:63分

のんびりできる

湘南の雰囲気の中で、のんびりとした生活を楽しむことができると言えます。

湘南地域のデメリット

湘南地域にはデメリットもあります。

潮風による塩害と湿気の高さ

海に近いと、潮風で自転車などが錆びたりします。
また湿気が高いので、洗濯物が乾きにくかったり、部屋の中にカビが生じやすかったりします。

津波の危険性

海が近いということは、津波の危険性があることは把握の上、いざというときにどうか、というところはきちんと見たうえで考えた方が良いでしょう。

渋滞

特に海沿いの国道は、観光客も多いことから渋滞が多いです。

藤沢、茅ケ崎、平塚の地価推移

それでは本題の、地価推移を見ていきたいと思います。国土交通省がデータを示している地価公示をもとにしています。
なお、地価公示は詳しくはこちらでご紹介していますが、国が指定した土地に対して、国の依頼により不動産鑑定士が判定をした金額となります。

次のグラフは、東京全体、藤沢、茅ケ崎、平塚のそれぞれの地価公示の各年平均値について、対前年の変動率推移です。

まず目につくのは、東京全体と比べるといずれの都市も変動幅が小さいということですが、コロナ禍の2010年以降に着目すると、東京は大きく下がっているのに対して、茅ケ崎、平塚では少しそれまでに比べて上がっているというのがわかります。藤沢は藤沢市全体で見れば横ばいですが、次のグラフは、藤沢市内を海側と内陸側で区切って比較したものです。なお、この区切りも特に何かで定義されているものではなく、便宜上私が区切っただけのものですのでご了承ください。

このように、コロナ禍以降で内陸側と海側で傾向に差が生じています。コロナ禍以降に、海の近くでリモートワークで仕事をしようと思う人が増えているのではないか、というのが推測されます。なお、2010年以降で比較してみると、コロナ禍以前では上昇、下降の傾向はほぼ同じなのですが、2012年だけ大きな差が生じているのがわかります。2011年3月11の東日本大震災によって、海側の津波によるリスクが敬遠されたのではないかというのが推測できます。

まとめ

湘南エリアと呼ばれる中の代表格と言える藤沢、茅ケ崎、平塚の3つの市について、地価の推移を東京と比較して見てみました。コロナ禍以降で海側に住む、ということのニーズが高まっていることが見て取れる結果となりました。

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