【各論】第1章 価格に関する鑑定評価 第3節 建物 Ⅲ 借家権

Ⅲ 借家権

借家権とは、借地借家法(廃止前の借家法を含む。)が適用される建物の賃借権をいう。
借家権の取引慣行がある場合における借家権の鑑定評価額は、当事者間の個別的事情を考慮して求めた比準価格を標準とし、自用の建物及びその敷地の価格から貸家及びその敷地の価格を控除し、所要の調整を行って得た価格を比較考量して決定するものとする。借家権割合が求められる場合は、借家権割合により求めた価格をも比較考量するものとする。この場合において、前記貸家及びその敷地の1.から
6.までに掲げる事項を総合的に勘案するものとする。
さらに、借家権の価格といわれているものには、賃貸人から建物の明渡しの要求を受け、借家人が不随意の立退きに伴い事実上喪失することとなる経済的利益等、賃貸人との関係において個別的な形をとって具体に現れるものがある。この場合における借家権の鑑定評価額は、当該建物及びその敷地と同程度の代替建物等の賃借の際に必要とされる新規の実際支払賃料と現在の実際支払賃料との差額の一定期間
に相当する額に賃料の前払的性格を有する一時金の額等を加えた額並びに自用の建物及びその敷地の価格から貸家及びその敷地の価格を控除し、所要の調整を行って得た価格を関連づけて決定するものとする。この場合において当事者間の個別的事情を考慮するものとするほか、前記貸家及びその敷地の1.から6.までに掲げる事項を総合的に勘案するものとする。

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